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自分で考える職員を増やすために

こんにちは。

人と組織の強みを活かす、ストレングスコーチの「まるさん」こと、丸本昭です。

 

昨日はオン・ストレングス主催で、

「DNA運動から考える自治体改革」と題し、元福岡市役所職員 吉村慎一さんに講演をしていただきました。

 

DNA運動は、2000年から始まった福岡市役所の「DNA改革」のひとつで、そこから全国の自治体に改善運動の火が広がった起点です。

職員の方が楽しそうに改善事例を発表し合い、審査員は博多どんたくのはっぴを着、全国から自治体職員が視察に来るなど、当時行政改革担当だった私から見てとても眩しく輝いた出来事でした。

DNAとは職員一人一人に改革の遺伝子を広げると言う意味と、

D(「できる」から始める)、N(納得する仕事をする)、A(遊び心を忘れずに)という語呂合わせもあります。

役所の計画に「遊び心」などと言う言葉が使われるのも画期的。

 

その後市長が替わり、DNAと言う言葉自体はなくなりましたが、その遺伝子は福岡市役所や他の自治体に広がっていると思っています。

一方で、その福岡DNA改革が20年近くたち忘れ去られつつあるのが残念で、今回の場を設けさせていただきました。

 

 

当時の担当課長だった吉村さんのお話を聞いて感じたことは、

やはりDNA改革の考え方は今も色あせていないということ。

ドラッカーの言葉に、

「重要なことは,正しい答えを見つけることではない。正しい問いを探すことである。」

という言葉があります。

「正しい答え」は世の中の変化、それぞれの組織により変わるけど、それを導き出す「問い」は変わらないというもの。

DNA改革の考え方は、この「正しい問い」にあたります。

 

印象に残った言葉をいくつかあげると、

・改革は3層構造。現場、マネジメント(中間管理職)、ガバナンス(経営層)を変える。

・ポストNPM(ニュー・パブリック・マネジメント)は、ニュー・パブリック・ガバナンス(市民主体のガバナンス)。

・「ルールドライブ」から「ミッションドライブ」へ

・何にもしない勇気を持つ。市民の力を引き出す。

・改革は現場から。経営陣は現場を見ながら経営する。

・DNA運動は、誰かの「熱」が周囲に伝播していく過程だった。

 

そしてなにより、行政評価の代わりにおこなった「MOVEシート」が、ドラッカーの5つの質問からなっていること。

「われわれの使命は何か」

「われわれの顧客は誰か」

「顧客にとっての価値は何か」

「われわれの成果は何か」

「われわれの計画は何か」

 

 

最近の職員は自分の頭で考えない、市長が言ったから、部長が言ったから、そのとおりにすることしかしないと言う話がグループの中で出ましたが、それは、「何をするか(What)」ばかり話をし、「ミッション」や「ビジョン」、「価値」について普段会話しないからだと思います。

ミッション、ビジョンが共有されていれば、それを実現するためにどうするかを自分で考えます。

しかし、「何をするか」だけしか共有されていなければ、それ以上は考えない。

以前も書きましたが、「そもそも」がほんとに抜け落ちている。

 

吉村さんから紹介された、D.オズボーン&T.ケブラーの「行政革命」の一文は、25年前の本なのに今も課題を言い当てています。

「公共部門は何をやってきたのか?それは、職員のやる気をなくすという大規模な試みだった。その手段としては、実行しなくてはならないこと、時期、方法を一つ残らず命令して、職員に頭を使わせないようにすることだ」

 

 

講演の後は、参加者による対話の場。

時間が足りないくらい自分の中に生まれた言葉を共有しあい、最後のチェックアウトとして自分の最初の一歩を発表し合います。

私は、ミッションドライブな組織を増やしていくために、今回のような学びと対話の場を作っていきます。

 

 

 

終了後の懇親会も二次会まで続き、話が尽きない楽しい時間でした。

やはりこんな場は嬉しい!

 

 

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