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財政破綻より気にするべきは「組織破綻」

 

こんにちは。

人と組織の強みを活かす、ストレングスコーチの「まるさん」こと、丸本昭です。

 

 

「“経営破綻”とは財政面だけではなく、『この会社はダメだな…』というモラルハザード(倫理欠如、規律崩壊)を典型として組織面にこそ現れる状態なのだ」

 

ガバナンス1月号(ぎょうせい)に掲載された、早稲田大学マニフェスト研究所人材マネジメント部会 出馬部会長の言葉です。

読んだ瞬間、「まったくそのとおり!」と10回くらい頷きました。

 

財政面の経営破綻を気にする人は多いが、組織面の経営破綻に目を向ける人はどれだけいるでしょうか。

 

 

財政面の破綻はわかりやすい。

財政調整基金が残り少ない、起債制限比率が基準を超えている、当該年度の予算が組めないなど、誰もが目で見えるし、実感できます。

 

しかし、組織の破綻は目で見えない。

強いて言えば離職率やメンタル休職者数の増加だろうが、特に行政組織ではそう急激に増えるものでもない(逆に急激に増えていたらそれこそヤバい)。

 

それゆえ、組織の経営破綻は見過ごされがちだが、しかし、組織の経営破綻は身体のがん細胞のように見えないうちに広がり、自覚症状が出てきたときには、回復に膨大な時間とエネルギーを必要とします。

 

 

また、組織の経営破綻が実は財政の経営破綻につながっていくことが多い。

無駄な仕事を意味もなく続け、外圧のままに事業を膨らませる。

財政破綻が近いので事業や仕事の仕方を見直そうとしても、その知恵や意欲は組織から生まれてこない。

トップが苛立っても、あとの祭りです。

 

 

組織の破綻は目に見えないと言いましたが、全く見えないわけではない。

少ない離職者でも、これまであり得なかったような若い人の離職が増えたり、事務処理ミスや不祥事が増えたりする。

縦割りで部門間の横の連携などますますなくなり、事業調整のための会議が増えることもある。

 

 

大切なのは、こういった「組織の破綻が目に見える」前に常にアンテナを張り、肌で感じることです。

職場の中で会話が減ったり、挨拶がなくなったり、気軽にお願い事ができなくなったり、お互いに協力し合う雰囲気がなくなる。

 

そんなことを肌で感じたら、特に管理職、経営層の方々は、お互いに「ヤバいんじゃない?」という会話、問題意識の共有をおこなってほしい。

経営層が率直に感じたことを話す関係性を持つ組織は、組織の破綻を早期に発見し、早期に治療することができます。

ある意味、そんな会話がない組織は、組織破綻の兆候を示しているのかもしれません。

 

財政破綻だけでなく、組織も破綻するということにアンテナを張ってほしいと思います。

組織の健全性を維持し、マネジメントするのは、管理職、経営層の一番大切な仕事です。

 

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