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自治体 人・組織づくり
「年度思考」からの脱却が、自治体を変える第一歩
久しぶりの自治体向けの記事です。
昨日は某町の町長とのコーチングセッションでした。
そのセッションの中で思い出したことがあり、こちらにもシェアさせていただきます。
昨年まで、早稲田大学マニフェスト研究所人材マネジメント部会に幹事として参画していました。
そこでの出来事です。
2020年の部会は、コロナにより全てオンラインとなりました。
3人一組で参加してもらっていたのですが、その職員の作成した「変革のストーリーシート」について、二人の幹事がペアでフィードバックをおこなっていました。
あるフィードバックの日、たまたま元三重県知事の北川顧問が事務所にいるということで、私のペアが北川顧問に。
直前に知らされてこちらも緊張しましたが、それ以上にビックリしたのがフィードバックを受ける参加自治体の3人。
Zoomの画面に北川顧問が出てきたときの3人の表情は、なかなかのリアクションでした。
変革のストーリーシートについて、優しく温かいコメントが続く中、終盤には鋭い切り込みが。
アクションプランの説明で「今年度はこれをして、来年度の終わりに次のアクションの頭が出れば…」まで言った際、
「これが公務員思考なんですよ。年度で分けて考える。いいことはいつからでもどんどんやればいいんです。四半期もいらない、月もいらない。そういうのに囚われず、すぐやるんです。」
ズドーンという感じでした。
私もそうなんですが、この「年度思考」は役所の職員の身に染みついてます。
年度で考えるので、PDCAサイクルも1年スパンになり修正が遅すぎる。
年度で考えるので、PDCAサイクルも1年スパンになり修正が遅すぎる。
良いことであれば、年度の途中から補正を組んでスタートすればいいのに、翌年の4月まで待とうとする。
改めて固定観念に気づかされました。
改めて固定観念に気づかされました。
昨日セッションをした町では、昨年度「人材育成・確保基本方針」策定のお手伝いをしています。
その取り組みのひとつとして、「通年採用」を取り入れました。
私のお世話になっている企業や、知人の民間企業に勤めている人は、年度変わりで採用・転職しようとはしません。
転職しようと思ったときに求人のある企業に応募しています。
企業も経験者採用は、必要な時に随時おこなっています。
春先募集、夏試験、翌4月採用というスケジュールは、自治体側には運営しやすいものの、社会人採用の対象者からはそのタイミングに合う人しか受験できない。
その町では、欠員が出たら年度の途中でも随時採用試験をおこなうことになりました。
今回も3月中に告知を出し、4月に募集。
今日が試験だったらしいのですが、なんと80人の応募があったそうです。
なかなか集まらない土木技師も結構な数応募があり、当の町長もビックリ。
同じ時期に採用試験をしている自治体はないので、恐らく合格者の辞退もほとんど無いのではないでしょうか。
人材育成部会の大事にしている考え方に、
「ドミナントロジックを転換する」
というものがありました。
過去や前例に過度に囚われずに考えるというものですが、改めて、自分達の「普通」「当たり前」を疑ってかかることも大切だと感じます。
自分への自戒も込めて。