「慎重さ」マネージャーの強みの活かし方
「マネージャーのためのストレングスファインダー®」というプログラムをご提供していますが、その中から、マネージャーが強みを自分のマネジメントにどう活かすのか、資質別に解説していきます。
1.ストーリー
うちの上司、いつもじっくりと考え、的確なアドバイスをしてくれる人です。特にリスクについては敏感で、部下が見落としていた点も「ここはどうなの?」と問いかけて気づかせてくれます。
そのためにもいろんな情報を収集し、先々まで考える思慮深さを持っているので、「失敗しない」という安心感が周囲の評価につながっている気がします。
ちょっと気になるのは、なかなか決めてくれないところかなあ。特に新しいことにチャレンジしようとするとき、問題が起こったときの話しばかりされて、ブレーキを踏まれてる感もあります。
2.どのような資質か
リスク管理の才能です。
何かを始めようとするとき、事前に十分下調べをして、シミュレーションしてから取りかかります。
予め十分準備ができているので、何か起こっても想定内で対応できます。
周りの人が気づかないリスクも敏感に察知し、アラートを出してくれる有り難い存在でもあります。
3.マネジメントへの活かし方
問題が発生しないようモニタリングします。
どこからどこまでは安全か線引きをして、その範囲内では自由に部下に行動させます。レッドラインを越えそうなときは、素早くアラートを出して失敗を未然に防ぐ行動を取ります。
問題点を潰し、十分な準備を促します。
どこにリスクが存在するのか多面的に検討し、先々まで見通して部下にアドバイスします。どんな情報を集めた方がいいのか、何を準備すべきかを伝え、部下にも十分事前に検討する意識を伝えます。
バックアッププランを常に用意します。
部下に仕事を任せながらも、何か問題が起こったらどう対処するかを常に考え、失敗したときのフォローの方法を準備しています。そのため、いざという時にはスムーズに動き出す強みを持っています。
4.リーダーシップスタイル
EQリーダーシップ(D.ゴールマン)の分類で言うと、「民主型」のリーダーシップです。
多くの人の意見を聞いて情報を集めたい、あとでもめないように十分調整して進めたいという思いから、関係者の意見を丁寧に聞いて、合意形成を図っていきます。
失敗しないように周知を集め、皆で揉みながら結論を出していきます。
5.注意点
チャレンジしたい部下、とりあえずやってみようとする「活発性」「ポジティブ」上位の部下からすると、ブレーキを掛けられている、後ろ向きだと感じられるかもしれません。
リスクを冒すことは苦手ですが、許容できるリスクの幅を設定することでチャレンジを許容したり、「やらないことのリスク」も合わせて考えると幅が広がって来ます。
(注意)
・「ストレングスファインダー」及びその資質名は、ギャラップ社に権利があります。
・資質は単独で現れるのではなく、他の資質と影響し合って出現します。同じ資質を上位に持っていても、他の資質との関係性で違った出方をする場合が通常です。ここでは資質単体での説明をしています。
・ここで書かれる内容は私の知識・経験に基づくものであり、ギャラップ社の公式見解ではありません。