「適応性」マネージャーの強みの活かし方
「マネージャーのためのストレングスファインダー®」というプログラムをご提供していますが、その中から、マネージャーが強みを自分のマネジメントにどう活かすのか、資質別に解説していきます。
1.ストーリー
トラブルに強い上司です。アクシデントが起こったり、取引先から急な変更を求められても、慌てることなく冷静に指示を出します。
皆が混乱していても一人落ち着いており、その姿を見てメンバーも落ち着きを取り戻すこともあります。「起こった以上はしょうがない」と切り替えが早く、その上で次の打ち手を考える姿は、トラブルを楽しんでいるようにも見えます。
2.どのような資質か
「適応性」は、変化に柔軟に対応し、今この瞬間に集中できることが強みです。計画や状況が急に変わっても動じず、冷静に対応します。
「適応性」上位の人は、周囲の環境に順応しながらも、その変化を前向きに受け入れることができます。そのため、変化の激しい職場や、突発的な問題が発生する環境において特に活躍します。
3.マネジメントへの活かし方
「適応性」のマネージャーは、組織やチームに以下のような影響を与えることができます。
変化への対応力が求められる場面をリードする
変化の激しいスタートアップ環境など、「適応性」上位のマネージャーは、チームの方向性を柔軟に調整して成果につなぎます。市場の変化に素早く対応し、新しい戦略を次々と取り入れることで、競争力を維持することができます。
混沌とする状況に冷静さを持ち込む
不確実な状況に直面しても動揺せず、むしろその状況を楽しむことができます。例えば、クライアントからの急な要望変更にもスムーズに対応し、冷静な判断を下しながら顧客満足を高めます。その冷静さが、メンバーの浮き足だった気持ちを落ち着かせ、成すべきことに意識を集中させます。
今この瞬間に集中させる
「適応性」上位のマネージャーは、未来のことを過度に心配せず、今すべきことにメンバーの意識を集中させます。その集中力が、変化に柔軟に対応し、突発的な問題や課題に対処する対応力を高めています。
4.リーダーシップスタイル
非常時において、EQリーダーシップ(D.ゴールマン)の分類で言う「強制型」のリーダーシップを発揮します。
平時において「適応性」によるリーダーシップを発揮することは少ないのですが、アクシデントが起こるなど非常になると、テキパキと指示を出しチームをリードします。
5.注意点
「適応性」上位のマネージャーが意識すべき点として、以下のような課題が挙げられます。
計画性が不足する場合がある
「今」に集中する「適応性」上位のマネージャーは、長期的なスパンでものごとを捉えることが苦手な面があります。場当たり的な対応になることもあるため、「戦略性」「目標志向」など長期的な視点を持つパートナーに補完してもらうことも効果的です。
一貫性がないと感じさせるときがある
周囲から「いつもやることが変わる」「何を考えているのかわからない」と思われることがあります。適応性を持つマネージャーは、自分の意図を明確に伝える努力も必要です。
まとめ
「適応性」を上位に持つリーダーは、
- 「適応性」は、変化に柔軟に対応できる強み。
- 「今この瞬間」に集中し、変化を前向きに受け入れる。
- 計画性、一貫性が低い場合があるため、戦略的思考や規律性を持つ人と協力すると効果的。
- 適応性のあるマネージャーは、変化の多い環境で特に強みを発揮する。
《バックナンバー》
実行力の資質
達成欲
慎重さ
責任感
回復志向
影響力の資質
活発性
指令性
最上志向
社交性
人間関係構築力の資質
運命思考
成長促進
共感性
調和性
個別化
ポジティブ
戦略的思考力の資質
着想
収集心
学習欲
(注意)
・「ストレングスファインダー」及びその資質名は、ギャラップ社に権利があります。
・資質は単独で現れるのではなく、他の資質と影響し合って出現します。同じ資質を上位に持っていても、他の資質との関係性で違った出方をする場合が通常です。ここでは資質単体での説明をしています。
・ここで書かれる内容は私の知識・経験に基づくものであり、ギャラップ社の公式見解ではありません。