チームのパフォーマンスを最大化する「朝の強みチェックイン」活用法
最近はまっていることに、いろんなAIツールを使ってみるというものがあります。
特に論文検索のAIサービス Consensus は、「収集心」上位の私にとってご馳走のようなものでした。
今日はそこから、日常的な強みの活用とパフォーマンスについて紹介します。
職場でどうストレングスを活用するか、ヒントになれば嬉しいです。
データ元は、
論文「Daily strengths use and work performance: A self-determination perspective」
日本語訳すると「日常的な強みの活用と仕事のパフォーマンス:自己決定の観点」
(2023年9月10日)になります。
実験の概要
最近発表された「Daily strengths use and work performance」という研究で、職場での強みの活用が個人と組織にどのような影響を与えるかが調査されました。
オランダの216人の従業員を対象に、5日間にわたって朝の強みの活用が午後のパフォーマンスに与える影響を調べました。
結論
結果、朝に強みを活用すると、心理的な満足感(自律性、能力感、関係性)が高まり、以下のような効果が得られることがわかりました。
タスク達成と目標達成:仕事の質が向上。
組織市民行動(OCB):他者へのサポートや組織貢献が増加。
逆生産的行動(CWB)の抑制:非生産的な行動が減少。
業務パフォーマンスの面では、タスクと目標達成の質が向上し、自律的な問題解決能力が強化され、業務効率が最適化されることが確認されています。
また、組織市民行動(OCB)の観点では、チーム内のコラボレーションが活性化し、自発的な組織貢献が増加、さらに部門間の連携も強化されることが明らかになりました。
加えて、逆生産的行動(CWB)の抑制効果も見られ、非効率的な業務行動が減少し、コンフリクトの予防にも寄与することが判明しています。
なぜ朝の強みの活用が鍵なのか
朝の時間帯は、1日の方向性を決める重要な時間です。この研究は、朝に強みを活用することで以下のような効果が得られることを示しています。
ポジティブなスタート:得意なことを活用することでやる気がアップする。
心理的欲求の満足:自律性や能力感が満たされ、関係性が深まる。
午後の成果向上:朝の行動が、その後のタスク遂行や目標達成に良い影響を与える。
朝の強みの活用は、心理的な準備運動のようなもの。良いスタートが1日を変えます。
「朝の強みの活用」として何をするか
論文の中で述べられている「朝の強みの活用」とは、社員が自分の得意なことや好きなことを仕事の中で意識的に活用することを指します。具体的には、以下のような行動が挙げられます。
自分の得意なスキルを活かす仕事の進め方を選ぶ
例:「コミュニケーション」上位の人が、朝のミーティングで積極的に意見を発表したり、同僚とのアイデア交換を行う。
タスクを自分の強みに合わせて調整する
例:「分析思考」が強みであれば、日々の業務でデータ整理や報告書作成を自ら進んで担当する。
強みを活かせる仕事の優先順位をつける
例:計画を立てるのが得意な「規律性」上位の人が、朝の時間帯に1日のスケジュールを立てる。
自分の強みに基づいた工夫を仕事に取り入れる
例:「着想」「最上志向」など創造力が強みであれば、新しい方法で業務を効率化したり、革新的なアイデアを提案する。
同僚やチームに自分の強みを活かして貢献する
例:「指令性」などリーダーシップが得意な人が、朝のプロジェクトミーティングでチームをまとめ、仕事の方向性を明確にする。
自発的に強みを活かすよう促すほか、「問い」を通じて意識や行動を引き出すことも、マネージャーの役割かもしれません。
チームに与える影響
朝の強みの活用は、チーム全体にも良い影響を与えます。
職場が前向きに:強みを活かす文化がポジティブな雰囲気を作ります。
信頼関係が深まる:他者へのサポートや組織貢献(組織市民行動)が増えることで、お互いの信頼関係が深まります。
生産性が上がる:仕事の効率化や自発性の発揮など仕事の質の向上、非生産的行動の減少により、チームとしてのパフォーマンスが上がります。
なによりも、強みの共有は、チームの絆を深め、全体の成果を高めます。
実践して欲しいこと
実践の仕方としては、次の二つをお薦めします。
1.グループチャットでのチェックイン
朝、チェックインとして、午前中自分の強みをどう使うかをグループチャットに全員で書き込みます。
夕方振り返りを書くところまでやると効果的ですが、チェックインだけでもOK。
すっと続けると思うとしんどいので、1週間とか3週間など期間限定でやってみる。上手くいったらそれぞれで続けるでもいいと思います。
2.マネージャーのショートセッション
朝の仕事の開始時など、1対1で3-5分という短時間のセッションを行い、強みの確認と活用方法の言語化、具体的なタスクへの紐付けをおこないます。
終業時など午後の時間に、実行結果の振り返りまでおこなえるとベスト。
これにより、個々の強みを意識的に活用する習慣づけが可能となります。
朝の強み活用で、1日をもっと充実させましょう!
個人もチームも、前向きな変化を実感できるはずです。
《今日の問い》
あなたは今日の午前中、自分の強みをどう使いますか?