リーダーの伝える力は饒舌さではない
こんにちは。
人と組織の強みを活かす、ストレングスコーチの丸本昭です。
最近印象に残ったものに、熊本市の大西市長のTwitterでの投稿があります。
「本日予定していた動植物園など一部市有施設開園を当面の間延期と判断したのは市長である私です。
『開園を楽しみにしていたのに我慢しろって』という皆さん。是非私を責めて下さい。
さあ、どうぞ!
市長のバカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
新型コロナウイルス感染拡大で休園していた動植物園等の開園を、新たな患者発生で急遽取りやめにしたのは自分が判断したと責任を引き寄せている点と、それをユーモアで表現しているところが政治家とは思えない(失礼!)投稿です。
この「市長のバカーーーーーーーー!」は、その前のコロナ患者発生の対応で追われている際に発した息抜きの投稿、「コロナのバカーーーーーー!」が前振りになっています。
リーダーシップのスタイルは人それぞれで、前に立って引っ張るだけがリーダーシップではないのですが、ひとつだけ必ず必要なことがあります。
それは、行き先を明確に示すことです。
行き先がわからないとチームはどこにエネルギーを集中させていいかわからず迷走します。
そして、その行き先を示すことができるのはリーダーだけです。
そしてその示し方は、言葉で伝えます。
直接声で伝えるかもしれないし、
文章かもしれない。
最近なら、アメリカのトランプ大統領や先ほどの大西市長のようにTwitterもあるかもしれません。
いずれにしても、「伝える言葉の力」というのがリーダーには必要です。
では弁の立つ人でないといけないのかというと、そこは少し違います。
饒舌で多弁な人なのに、何も伝わらないという経験をされた方もいらっしゃると思います。
逆にしゃべりは上手ではないけれど、朴訥として語る言葉に引き込まれてしまうこともあります。
そんな人の伝える姿勢は、
伝えたい人、伝える内容にしっかり向き合っている
率直に思いを言葉にしている
伝えた言葉に責任を持ち、逃げない
伝えたことを批判されても受け止める正直さがある
ように感じられます。
ドラッカーがリーダーに必要な資質として「真摯さ」をあげていますが、その真摯さが現れる人の言葉は伝わるのだと思います。
リーダーシップは課長や部長など管理職だけが発揮するものではありません。
一般職でも、その人の言葉にみんなが納得して同じ方向を向いて動くとき、その人はリーダーシップを発揮したと言えます。
日頃自分がどのように言葉を伝えているのか、
その言葉は普段の行動と一貫性がある真摯なものなのか、
私自身も、もう一度振り返って考えたいと思います。