
ストレングスの研修の後、そのトップの方から「受けて終わりではなく、組織の変化につないで欲しい」というお話をよくうかがいます。
もちろん望むところでもあり、次のステップに向けて意見交換もさせていただきます。
そんな中で、Gallupの「Called to Coach」のエピソードに良いヒントがありそうなのでシェアします。
以下の動画です。
「Strengths, Simplicity and a Thriving Culture at L’Oreal Asia(ロレアル・アジア における強み、シンプルさ、そして活気あるカルチャー)」(2025年7月1日収録)
「やってよかった」を積み重ねる
ロレアル・アジアの組織文化変革は、最初から完璧な計画を立てて取り組んだわけではありません。
「今この状況でできるベストを選ぶ」ということを大切にし、「もっとこうすればよかった」と過去を悔やむより、「あのときやっておいてよかった」と言えることを一つでも増やす。その積み重ねが、変革の推進力になったと言っています。
しかし同時に、とても戦略的な考え方で取り組んでいます。
それが、
1.小さく始めて現場で検証すること
2.自然に広がるオーガニック戦略
3.13.5%のキーパーソンをターゲットにする
4.「巻き込まない勇気」と「丁寧な対話」
の4つのアプローチです。
小さく始めて現場で検証する
初期に展開されたのは「Strengths-Based Coaching for Managers」というマネジャー向けプログラムでした。
これはコロナ禍での取り組みで、シンガポールのコーチがオンラインで中国や韓国のマネジャーをコーチングするという実験的なもの。
このプログラムでは、レクチャーよりも実践を重視しています。
1on1や小グループで使えるものを教え、職場での実践を求めます。
動画の中でも「実践!実践!」と言っているのが印象的でした。
すぐ使えるように、1on1等で出てくる事例やパターンを整理し、それぞれのケースでの対応方法を具体的に伝えています。
「ライブ・コーチング」と言って、講座の中で受講者に実際に部下に電話を掛けさせ、その1on1を他の受講者と一緒にフィードバックするという取り組みもなかなか強力です。
また、毎日のセッション後には参加者にポストイット2枚でフィードバックをもらう仕組みが導入されました。
・今日よかったこと/印象に残ったことを3つ
・改善が必要だと思う点/不要と感じたもの
の2点です。
集合研修やセミナーの後にアンケートを取るケースは多いですが、ロレアル・アジアのように、「その場で」「その日のうちに」「個人の言葉で」フィードバックを取る仕組みは、プログラムの進化を支える大きなヒントになっています。
自然に広がる「オーガニック戦略」
導入の最大の成功要因は、「オーガニック戦略(自然発生的に広がる戦略)」でした。
ストレングスファインダーの強みは、レポートや研修だけではなく、「その人自身の体験から実感されること」にあります。
「オーガニック戦略」とは、誰かが自分の体験を通じて「これは自分にとって意味がある」「この考え方がチームに役立つ」と気づいたとき、自然と周囲に広がっていくという考え方です。
そのためにも、「小さく始め」、職場でストレングスファインダーの良さを実感してもらうということが良かったのだと思います。
ロレアル・アジアでは、資質名や強みに関する言葉が、部門を超えて共通語になっているそうです。
資質名を使って、「自分を語り」「他者にサポートを期待する」。そんな言葉が行き交うようになっていきました。
強制的にやらされる研修ではなく、「役に立つから自ら使いたくなる」仕組み。
それが、強みが根付いた理由のようです。
キーパーソンは13.5%でいい
変革には「全員の賛同が必要」と思われがちですが、ロレアル・アジアでは
「13.5%のリーダーが本気で取り組めば、それが組織全体に波及する」と言っています。
これは、イノベーター理論(キャズム理論)に基づいた考え方で、アーリーアダプター(職採用者)に注力することで、その後の全体への浸透を図ろうとするものです。
「全員に理解してもらう」ことにエネルギーを使いすぎないことが大切です。
まずは共感してくれる人、価値を感じてくれる人に集中してリーチする。その層に体験を届け、変化を生み出す。その実績が他の層への説得材料になります。
導入初期に「人事部全体」や「全マネジャー」に一斉に展開するのではなく、まずは「共感層」と「キーパーソン」への限定展開から始め、成果を可視化しながら広げていく方法です。
「巻き込まない勇気」と「丁寧な対話」
どの組織にも、「新しい取り組みに懐疑的な層」はいます。
ロレアル・アジアでも、「なぜこんなことをやらなければいけないのか」という声が一定数ありました。
しかし、それを否定せず、「その不安や疑問は何に起因しているか?」を丁寧に対話で拾い上げていったそうです。
特に、人事や組織開発部門のリーダーたちが、そういった社員から直接フィードバックを受け取り、小規模のフォーカスグループを実施。
そこでは「あなたの現場で役に立つようにしたい」「無理やり導入するつもりはない」という姿勢が、抵抗層の安心感につながったとか。
この「巻き込まない勇気」と「丁寧な対話」が、結果的に組織全体の心理的安全性と変革のスピードを両立する鍵となったのです。
基本は、「やってみたいと思わせる」「役に立つと感じさせる」、オーガニック戦略です。
ストレングスを組織文化に根付かせる
ストレングスファインダーをチームビルディングや、「やってみて楽しかった」で終わらせない。その先に進めることが、私の今一番取り組みたいことです。
そのために、ロレアル・アジアの事例から学べることは多いと思います。
「小さく始め、共感層から広げ、成功体験を可視化すること」
組織への影響力の大きいマネージャ層から始め、実践を通じて実感してもらえる流れを作り出すことが共感を生み出します。
強みを、個人の特性理解からチームの力へ。そして、組織の文化へ。
ストレングスファインダーをただの「ツール」から、「変革の戦略」へと進化させていきませんか?
動画の中で説明された「Strengths-Based Coaching for Managers」というマネジャー向けプログラム。
詳細はわかりませんが、私なりにオープンセミナーとして開催します。
ぜひご参加ください。
強みを使ったマネジメントチームを作りたい方に(〆切り間近!)
「マネージャーのためのストレングスファインダー」というオンラインセミナーを開催します。
実践を挟みながらの3回のシリーズものになりますので、是非ご参加ください。
1回目 「強みを活かしたマネジメントスタイル」
今回のメルマガの内容を、あなたの資質で一緒に考えていきます。
2回目 「1on1にストレングスファインダーを活かす」
部下の資質を見ながら、関わり方や支援の方法、モチベーションの上げ方などを考えます。
3回目 「強みを活かしたチーム作り」
参加者のチームメンバーの資質を見ながら、チームとしての強み・弱み、相互の活かし方を考えます。
※ご参加いただけない回については、録画にてキャッチアップしていただけます。
※毎月1回1.5時間の開催とし、その間にペアで相互セッションをしていただくほか、オプションとして、終了後に個人コンサルタント&コーチングを特別価格でおこないます。
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