心理的安全性を高める資質の使い方
メルマガで「心理的安全性を高める強みの活かし方」という記事を書きました。
そこでは述べていませんでしたが、具体的な資質の活かし方という視点で
書いてみたいと思います。
はじめに 〜押さえておきたい前提〜
はじめに、一点お断り。
「この資質があるからこれができる」というわけではありません。
該当する資質があっても十分使いこなせていない、
該当する資質はないけれど、他の資質で補っている、
資質ではなく、経験やスキルでおこなっている、
ということがあります。
資質が全てではないということも、併せてお伝えしておきます。
(この記事の根底を揺るがす感じもしますが 笑)
ただ、該当資質が上位にあると、
他の人よりも遙かにたやすくおこなえます。
以下、ブレスト的なイメージで読んでいただければと思います。
心理的安全性を生み出す4つの因子
石井遼介著「心理的安全性のつくりかた〜心理的柔軟性が困難を乗り越えるチームに変える〜」
(日本能率協会マネジメントセンター)の中では、
心理的安全性を生み出す要因として、
「話しやすさ」「助け合い」「挑戦」「新奇歓迎」の4つをあげています。
それぞれの要素を作り出す資質にどんなものがあるか、
考えてみたいと思います。
「話しやすさ」
・みんなが一つの意見にまとまろうとしたとき、それでも反対意見を言える。
・問題やリスクに気づいた瞬間、即座に声があがる。
・知らないことやわからないことを、フラットに尋ねられる。
安心して話せる雰囲気を作り出す点では、「共感性」の資質が一番かもしれません。
部下に寄り添って話を丁寧に聞き、気持ちをくみ取ってくれるので抜群の安心感があります。
「成長促進」「包含」「ポジティブ」などの人間関係資質も、
きちんと受け止めてくれるという安心感を生み出します。
逆に優しい雰囲気作りは得意ではないけれど、
何かあったらしっかり受け止めてくれる「親密性」、
または正直に意見を言い合うことを是とする文化を作り出す
「責任感」「信念」というチーム作りの方法もあるかもしれません。
ただし、やはりコミュニケーションリスクを感じさせない安心感が前提なので、
日頃の十分なコミュニケーションや関係性作りが必要です。
「助け合い」
・問題が起きたとき、人を責めるのではなく解決策を考える雰囲気がある。
・リーダーやメンバーがいつも相談に乗ってくれる。
・減点主義ではなく加点主義の雰囲気。
ナチュラルにおこなっているのは、「回復志向×人間関係資質(特に共感性)」の人。
困っている状態に一番先に気づき、声をかけ手助けしてくれます。
また、「回復志向×活発性」「回復志向×適応性」の人がいると、
すぐ動いてくれてお互い助かります。
また、「運命思考」「包含」の資質を持つ人も、快く手伝ってくれる人なので、
自然とチームで助け合う雰囲気が生まれてきます。
逆に苦手なのは、「責任感」「最上志向」「自我」の人。
ひとりで何とかしようとして、抱え込んでしまうことがあります。
「挑戦」
・チャレンジすることが損ではなく、得だと思える。
・前例や実績が無いものを取り入れる。
・多少非現実的でも、面白いと思ったらチームに共有する。
本質的にやっているのは「活発性」上位の人。
まずやってみて、そこから次の打ち手を考えます。
部下に対しても「とりあえずやってみる」ことを推奨します。
「ポジティブ」もチャレンジしやすい、させやすい資質です。
チャレンジしたことをきちんと振り返り、検証することも大事です。
そこに貢献できるのは、「内省」「分析思考」などの思考系資質。
すぐチャレンジするタイプではありませんが、
「活発性」や「ポジティブ」上位の人と組み合わせることで、
振り返り検証して、より良いものを生み出すことができます。
「新奇歓迎」
・強みや個性を発揮することを歓迎する。
・常識に囚われず、様々な視点を持ち込みことを歓迎する。
・目立つことがリスクにならない。
「最上志向」「着想」上位の人は、新しいことや前例のないことが大好き。
従来のやり方を変えることに躊躇がありません。
特に「着想」上位の人は、お互いに触発されて新しいアイデアを生み出していきます。
また「個別化」上位の人も、違いを受け入れて生かします。
4つの視点で自分の上位資質を眺めてみる
いずれも意識することで資質に関わらずおこなえますが、
上位に持つ人は既にやっていることも多いのではないでしょうか。
自分の上位資質がどのように心理的安全性のある職場づくりに活かせるのか、
考えるヒントにしていただければと思います。