研修では人は変わらない
こんにちは。
人と組織の強みを活かす、ストレングスコーチの「まるさん」こと、丸本昭です。
時々こんな依頼を受けます。
「うちの職員は、なぜその仕事をしているのか目的意識もなく、あまり考えずに仕事をしてるんです。
報告・連絡・相談もしないし、指示してもその通りに動かない。
意識を替えるような研修をしてもらえませんか。」
「うちの管理職は危機意識がないんです。
昔のままに仕事をしていて、部下も育たないんです。
研修で厳しく言ってもらえませんか。」
研修を仕事としていながらこんなことを言うのもなんですが、
一度しか来ない講師がガツン!と言っても、人って変わりませんから(^^;)
もちろん、何かのきっかけをつかむ人はいるかもしれません。
多分、そんな人は元々考えてる人ですが。
部下が目的意識もなく、考えずに仕事をしているのは、
上司が仕事の目的を問い続けていないから。
報告・連絡・相談をしてこないのは、
以前相談しに来たんだけど、
忙しさでぞんざいに扱ったことがあったり、
相談しに来てるのに怒ったり、
「考えさせて」と言いながら決めきらなかったり、
結局頼りにならない上司だと思われてるからかもしれない。
指示に従わないのは、
日常の仕事の中での信頼関係がないから。
そこを変えずに、研修で意識が変わることはありません。
やる気になっても、職場に戻れば夢破れて元に戻る。
管理職に危機意識がないのは、
日常的にまちや組織の話を語り合う風土がなく、
今のままで問題なくやれているから。
経営層も含め、役所が何を目指し、どんな組織にしたいのかをお互いに問い続けていないから、
部下を育てる意識も生まれてこない。
大切なのは、日常でどれだけ「組織の使命」「ビジョン」「価値」を語り合っているかです。
知らない講師がヒョイと来て、ガミガミと怒鳴り散らしても、反発して心のシャッターを下ろしてしまうだけです。
じゃあ研修は無駄かというと、そうではない。
そこで働いている人たちが職場をより良くしたいと思い、
自分事として動いていて、
研修講師のスキルや知識をリソースとして活かし、
外の人間だからこそ言えることを言ってもらう…という使い方をしてもらう。
そいうやって、「使命」「ビジョン」「価値」を語り合うよな、
職場の中で率直なコミュニケーションが生まれるようなサポートをすることはできます。
そこからしか、職場がより良く成長することはできない。
そういう意味で、組織のありたい姿、課題を経営層・人事部門と一緒に考え、
継続的に関わっていきたい。
ある自治体職員の勉強会で、
「朝起きたら役所に行きたくてしょうがなくなる職場にするためには?」
という問い立てで対話していた方がいました。
そんな職場を、そこで働いている人たちと一緒に作りたいと思います。